地球温暖化メカニズムと原因について

去年グレタ・トゥーンべリさんが

How dare you?

と吠えたところから、ようやく生ゴミ並みに着火性が悪い気候変動に対して世界が重い腰を上げつつあるよう感じます。

各国政府や自治体が、2030年CO2削減〇〇とか色々いいますが、このCO2削減とか、脱炭素という言い方は正しいでしょうか?

それを理解するためには、地球温暖化の原因を把握することが必要です。

地球が温暖化する、ということは、地球に熱が籠もっている、ということです。なので、地球に入ってくるエネルギー収支をまずは考えます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E5%8F%8E%E6%94%AF

まず、地球に入ってくるエネルギーと出ていくエネルギーの内99.97%は太陽エネルギーでほぼ支配的です。火山、マグマ、月の満ち欠けによる潮汐、化石燃料の燃焼…そんなものは微々たるものである、ということを覚えておく必要があります。

太陽から地球に到達したエネルギーは、電磁波の形で宇宙空間を伝わってきますが、地表の雲や氷で反射されたりするため、地球に到達するエネルギーの30%はそのままどこかに行ってしまい、残りの70%が吸収されます。

温暖化対策をするだけなら、このエネルギー収支の矢印を調節すればいいので、衛星軌道上に日傘を展開するとか、航空業界と協調して飛行機雲を人為的にもっと増やすとか、道路の色を白っぽくするとか、屋根の色を白っぽくするとか、そういうことも温暖化対策になります。

しかし、最近の温暖化の原因は何でしょうか?太陽からのエネルギーが増加しているのでしょうか?地球から出ていくエネルギーが減っているのでしょうか?温暖化がなぜ進んでいるのか原理原則を理解した上で、人類が持続可能な社会の仕組みを考えないと、根本対策とは言えません。

さて、太陽から来るエネルギーが地球上のエネルギー源の殆どだと説明しましたが、ここで地球がもし完全な黒体であると仮定すると、地球は太陽からの距離が1億5千万kmあるので、-20℃になるそうです。

しかし実際地球の平均気温は14℃位であり、-20℃とは隔たりがあります。この隔たりを理解するためには、温室効果を理解する必要があります。

上の図は、地球の大気組成と波長に対する吸収・散乱率が示されています。

地球の大気は可視光についてはほぼ素通しすることがわかります。(波長が短いほど少し吸収するため、空は青く見えます)一方赤外線については、一部波長を除いて高い吸収率を持っています。

この事を念頭に、地球で何が起こるかというと、

  • 太陽からやってくるエネルギーは、反射や途中で吸収されなかった可視光成分が地表に到達する。
  • 地表に到達した可視光は、熱となる。
  • 熱は物体から赤外線として放射される。

ということが起きています。もっと簡単に言うと、

地表に到達する時は可視光だけど、地表から出ていく時は赤外線である

と言えます。ここで地球の大気の特性をもう一度思い出すと、

地球の大気は可視光は通しやすいが、赤外線は吸収・拡散しやすい

為、ざっくりとまとめると

地表に到達したエネルギーは、入って来やすいが出て行きにくい

という状態になります。これが、温室効果の大まかなカラクリです。

この温室効果によって、本来-20℃の極寒の世界になるはずが、14℃という水が存在できる環境を作り出しています。

そしてそろそろおわかりだと思いますが、温暖化が進行するということは、この温室効果が強まっているからに他ならず、温暖化が進行している産業革命以来、大気組成で一番の変化点は、CO2濃度が280ppm→400ppmに上昇したことです。

大気中のCO2濃度が高まると、温室効果が強まることは理解できましたが、なぜ大気中のCO2濃度が高まっているかを理解するためには、地球の炭素サイクルを理解する必要があります。

https://en.wikipedia.org/wiki/Carbon_cycle

図中にある通り、化石燃料由来の炭素が毎年9GtC/年あり、内3GtC/年は植物により固定化され、2GgC/年は海水のガス交換で吸収されますが、4GtC/年分はどんどん大気に蓄積していることがわかります。

これが大気中の二酸化炭素濃度の上昇を引き起こし、温室効果が強まって地球温暖化が進行しているカラクリです。

このことから、温暖化を阻止するためには、

化石燃料由来のCO2をへらすこと

つまり、化石燃料の利用をやめること、が大事であると理解できると思います。

ニュースで言われる、

CO2ゼロ

脱CO2社会

というのは、すこし説明不足ですね。

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